アンティークコインの基礎知識

アンティークコインとは

一般的に100年以上前に発行されたコインのことを「アンティークコイン」と呼び、最近発行されたコインを「モダンコイン」と呼びます。

※1934年にアメリカで制定された通商関税法で製造された時点から100年を経過した手工芸品・工芸品・美術品をアンティークと定義したことが関係していると思われます。

鑑定について

残念ながらアンティークコインには偽物も存在します。そのため鑑定会社によって鑑定されたコインを購入されることをお勧めします。
鑑定されたコインはスラブケースと呼ばれるケースに入れられ、ケースにはそのコインの鑑定情報が記載されています。

鑑定会社について

アメリカのNGC社、PCGS社が2大鑑定会社と呼ばれ、市場の98%を占めているといわれます。どちらも歴史ある会社で、どちらかの鑑定を受け、グレード(数値)の付いたコインは世界的にその価値を認められています。

グレードについて

NGC社、PCGS社共に、コインの価値を70段階に分類したシャルドン・スケールといわれるグレーディング基準を使用しています。
数字が高いほど評価が高く、70グレードが最高鑑定になります。

PF(PR)/MS 60~70 未使用品
AU      50~58 準未使用品
XF      40~45 摩耗がみられる

プルーフ(Proof)とミントステイと(MS)について

コインは大きく分けて、記念用として特別に製造されたプルーフ型と流通用に製造されたミントステイト型の2種類が存在します。
プルーフ型のコインは鏡のような仕上がりで、取れも美しい輝きがあります。
鑑定の表記として、プルーフをPFまたはPR、ミントステイのことをMSと記載されます。
※PFはNGC社による表記、PRはPCGS社による表記方法になります。

Detailsグレードについて

コインに何らかの欠陥があり、70グレードの数字がつかなかった場合、数字の代わりに「details」と記載されることがあります。
PF(PR)/MS相当のグレードだが欠陥がある場合は「UNC DETAILES」、AU相当のグレードで欠陥がある場合は「AU DETAILES」と表記されます。

欠陥については下記のようなものがあり、スラブケースに表記されます。
・SCRATCHES(すり傷)
・ WIPED(部分的に集中した細かい傷)
・POLISHED(微小な磨き)
・BRUSHED(磨き)
・DAMAGED(損傷)
・MOUNTED(装飾品などへの取り付け後)
※上記は一部のご紹介です。


その他特別な鑑定表記について

今までご紹介したもの以外にも特別な鑑定表記がスラブケースに記載されることがあります。
数多くの種類があるため、よく見る表記のみご紹介します。

・Cameo/CAM
 コインの輝きが強い場合に表記されます。

・Deep Cameo/DCAM
 Cameo/CAMよりもさらに輝きが強い場合に表記されます。

・PL
 MSのコインでプルーフのような輝きがある場合に表記されます。

・DPL
 PLよりも輝きが強い場合に表記されます。

・First Day of Issue
 発行初日に鑑定会社で鑑定されたコイン。

・Early Releases / First Releases / First Strike
 発行から30日以内に、鑑定会社に送られ鑑定されたコイン。

アンティークコインの価値について

アンティークコインの価値は3つの要素で決まります。
・状態(グレード)
・稀少性(発行枚数/鑑定枚数)
・人気度

最高グレードで発行枚数が少なく、人気のデザインのコインが価値の高いコインになります。